<杜鵑楼竣工記念演奏>

また中国にいってまいりました!

小林 康


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 昨年の11月25日から30日にかけてまた中国へ行ってまいりました。 簡単に報告させていただきます。
 メンバーは弦楽器から粂川氏をはじめとする9名、ホルンセクションから6名、 そしてインペクの岩本氏、事務局から細小路さんの計17名が栃響を代表して派遣させられました。
 我々の役割は、栃木県が浙江省との間に作った友好会館(杜鵑楼)の竣工式典、 およぴその他歓迎レセプションでの演奏。県知事をはじめとする、 いわゆる県のお偉方を含む100名以上の大訪中団を前に、 レセプションを盛り上げることを最大の目的として、 ホルンは主にテープカット等のファンファーレ隊、 弦楽アンサンブルはオフィシャルの席上での楽隊として参加しました。
 我々栃響のメンバーは、サントリーホールでの演奏会の実現、 またホルンセクションとしても、来年のハンガリー演奏旅行の実現に向けて、 是非とも県知事にアピールしなければならない重要な使命を担っていたのでした。


11月25日

 上海に着いて、タ食を食ベ、何と!雑技団を観に行く。
 
 宿は街中のホテル。部屋に戻り、「これからミーティングがあるから」と 嘘を行って栃響のメンパーを部屋に集め、飲み会をおこなう。 岩本さんがこのために成田で買ってくれたオールドパーはほとんどなくなってしまった。 ミーティング(笑)

ミーティング(笑)


11月26日

 午前中は、一行とともに(例の)豫園に行く。入り口のところで別れ、(例の)饅頭屋に行く。
 今までは一番奥のゲストルームに通され、フルコースを食べさせられてしまっていたが、 3回日ともなると、手慣れたもので、一番おいしい肉餃子だけを注文。 しかし、交渉したのはホルンのメンバーではなかった。
南翔饅頭店

例の饅頭屋、南翔饅頭店の前にて

 

 

 午後の列車で杭州へ移動。ほとんどが、軟座席(外国人は普通これ)であったが、 私を含む数名が硬座席へまわされた。 その名の通り、スプリングなしの木の硬い座席。 おかげで背骨が伸ぴて、腰痛になりませんでした。
 
 その晩は浙江省側が用意したレセプションで、演奏の予定はなかったが、予定はあくまでも予定であって、 酔った勢いで演奏をおこなってしまった。 友好飯店

友好飯店内の夕食会にて

 

 

 その晩、前回の(栃響で来たときの)蛇酒のあの店が忘れられず、徘徊を開始する。 屋台の夜店はそのままであったが、店はずいぶん変わってしまった。 とりあえず、「ジャーチュー?」(蛇酒ある?)と聞きながら、一軒の店を発見!  注文したところ、その店の蛇酒全部を飲んでしまった。
渡辺陽子さん(Vn)もレディオベリー(FM栃木)の廣田さんも飲む羽目に! (その後どうなってしまったかは本人に開いて下さい)
 やはり、そこでも酔った勢いで『にわとり,ダチョウ,イグアナ』をやってしまった!!。 店の人達も、外の通りから我々の様子を観ていた人たちも、相当ぴっくりしていた様子であった。


11月27日

 中国に来て三日目になるが、天候は思わしくない。 1日杭州市内の観光であったので、できるだけバス外に出ないようにしていた。
 
 その晩は栃木県側が用意した答礼レセプションである。 いわば我々が行う公式の初めての演奏となった。 しかし、長い挨拶の後、食事が始まった直後の演奏となったため、 かなりざわついた中で演奏を行う羽目になってしまった。 やや不満の残る演奏会となってしまったが、 一番前で開いておられた渡辺知事さんの「ごめんなさい、こんなにうるさくなってしまって」 の一言で、おおいに報われた気持ちになりました。 歓迎夕食会

歓迎夕食会にて


青少年民族音楽団

歓迎夕食会で演奏した青少年民族音楽団と

 

 

 その晩も、別の店に蛇酒を見つけ飲んでいたところ、宮下君(Cb)達がずぶぬれになって、 「小林さん、やっとみつけましたよ!是非会わせたい人がいるので」と見ると彼女の姿が! ホルンセクションの一回目の訪中のとき知り合った大学生で、 その後連絡が付かずもう二度と逢えないとあきらめていた人でした。 蛇酒の置いてあろうと思われる店を片っ端から一軒ずつ探してくれた、 宮下君、大塚さん(Va)ありがとうございました。 すっかり大人ぴてしまった彼女を前に、酔いも醒め気味になってしまったが、 ここからまた取り戻し、また例の『アレ』をやってしまった。 蛇酒を囲んで

蛇酒を囲んで


11月28日

 この日の演奏がいわば本番である。友好会館の竣工式典。やはりあいにくの雨模様で、 当初予定していた屋外でのアルブホルンの演奏は室内に持ち込まれることになった。 この日のために、初日からずーっとアルプホルンを担いでくれた細小路さん、岩本さん、 宮下君お疲れさまでした! 杜鵑楼

杜鵑楼前にて

 
 入り口に3本もアルブホルンを据え、演奏を始めようとすると、すぐ横には、 歌舞団の人たちが中国の曲の練習をしている。 我々もテリトリーを侵されまいと演奏を開始。 1曲目が終わると間髪入れずに2曲目をといった具合に約30分吹き続けた。
 後で聞いてみると、ホルンは外で、歌舞団が中で演奏する予定であったらしく、 1曲もまともに演奏できなかった歌舞団の方々は怒って帰ってしまったらしい。 悪いことをしてしまったが、とりあえず我々の勝ちー!
杜鵑楼室内1

アルプホルンで客人の入場の音楽を演奏


杜鵑楼室内2

式典でのファンファーレ演奏


 
 別室でのレセプションでも演奏を披露。 緞帳に阻まれた狭いステージはすこぶる音の抜けが悪く、1日目を思い起こすようであった。 そこで、吉谷理事(栃響理事)の音頭で全員がステージから降り、知事を囲む形で演奏を行ったところ、 これがまた大いに盛り上がり「北国の春,海はふるさと」の大合唱で盛大に幕を閉じることができた。 杜鵑楼3F

杜鵑楼竣工記念パーティーにて


 
 杭州から蘇州に向かう列車のなかで、「そろそろ始めるか!」と我々は楽器を取り出し「マイスターシュッエン」を演奏する。 ドイツ演奏旅行の際、ミュンヘンからチューリッヒに向かう電車の中で大いに盛り上がったことを思い出す。 隣に座っていたスイス人がコップいっぱいのコインを集めてくれて、みんなで酒盛りをした思い出がある。 これに味を占めたホルン族、演奏が終わり拍手大喝采かと思いきや!あまり反応なし! すると今度は、列車のちょうど真ん中で粂川氏(Va)がビオラの独演を!これがまた大喝采。 なにくそ、こちらも負けるものかと「イムフルーゲ」。これまたあまりうけない! 今度は粂川氏の演奏で大喝采!「あーこりや完敗だー」と言いつつ、そうこうしているうちに、 別の列車から知事夫妻が登場!お三人を囲み上海まで楽しい音楽列車でした。
 我々ホルンは列車の一番端に居たため、ベルが出口に向いていたこともあってあまり聞こえなかったそうです。 粂川さん負けました!
列車内

杭州→蘇州に向かう列車内にて。後ろには県知事も


 
 列車が上海駅に到着。「知事が降りるぞ、走れー!」の合図で、ホルンを持ってダッシュ! 知事団を取り囲み「キリタマーチ」。 天井の高い上海駅のプラットホームに、たぶん中国では初めてであろうと思われる、 ホルンアンサンブルが浪々と響き渡った。鴨ちゃん曰く「バイオリンにはこれはできませんよねー!」
 私たちホルンにとって、今回の演奏旅行の中で、一番心に残る演奏だったかもしれない。
上海駅

上海駅にて、県知事達の見送りにキリタマーチを演奏


 


11月29日

 蘇州を観光した後、上海へ。
 さよならパーティーでは、もうなんでも有りの大騒ぎ。
さよならパーティ1

さよならパーティにて

さよならパーティ2

同じくさよならパーティ。ホルンクラブの歌姫、保坂嬢(右)と
Radio Berryのアナウンサー、廣田嬢(左)の
チャイナドレスに着替えての熱演。


 今年、杭州に新しいホールが完成するという。また何かの機会を見つけて演奏旅行で杭州を訪れたいものである。


−*栃響ニュース第15号('98.02.07発行)に掲載された文章です。−

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